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液化ガスローリーの構造

液化ガスローリーの構造
 

  液化ガス容器

液化ガスは大気圧下において沸点が−196℃(液体窒素)、−183℃(液体酸素)、−186℃(液化アルゴン)の超低温の液体で、常温である大気中に放置すると蒸発してしまいます。従って、液化ガスの輸送に用いるローリーは外部からの熱侵入を防止できるように断熱処理が施されているのが大きな特長です。この断熱処理にはさまざまな方法がありますが、ここでは一般的に用いられている真空断熱方式について説明いたします。

真空断熱方式とは、真空状態における熱伝達が低いことを利用して内槽を真空状態の空間で取り囲み外部からの熱侵入を防ぎます。いわゆる魔法瓶のような構造にして外部からの熱侵入を防止しています。タンクの構造は二重構造となり、真空層を保持する外槽、液化ガスを貯蔵する内槽および内外槽の間となる真空層により構成されます。この真空層は、真空にするだけでなく、粉末状、ブランケット状の断熱材を充填して、より断熱性能を高めた構造となっています。このような断熱方法を講じることで、自然蒸発損失(外部からの熱侵入により液化ガスが気化する割合)が低く抑えられ、無駄の無い安全な貯蔵が可能となります。また、液体水素(沸点−253℃)等の、より高度な断熱が要求される場合にはシート状の断熱材と熱輻射を防止する材料との組み合わせによる積層真空断熱という方式もあります。真空断熱を必要としない温度となる液化ガスの場合には、発泡ウレタン等による簡易断熱方式を用いることもあります。内槽は一般的には、超低温状態で強度があるステンレス鋼を用いており、熱の伝わりにくい材料を用いて外槽に連結されます。このような内槽の支持材料も熱侵入を防止する工夫がなされています。

  液化ガスローリーの構造特性

では、ローリーの構造特性をまとめてみます。圧力の性質として、断面は円になろうとし、全面に均等に作用します。したがって容器は円筒であり、鏡板の丸みを持った圧力に対して強い構造となっております。

また、液化ガスは超低温であり、常温ガスを液化すると酸素1/900、窒素1/729、アルゴン1/887の体積収縮が起きます。ローリーの部品は常温から超低温までの幅広い温度領域で使用されます。そのため、超低温でも強度が劣化しない材料を使用する必要があります。また、常温と液化ガスの温度差が約200℃という大きな差があるため非常に蒸発しやすい状況であります。よって断熱方法を工夫し蒸発ロスを減少させる必要があります。

その他に、液体であるために、ローリーが停止しても慣性力と流動性により動き続ける特性があります。この対応のために容器内部を仕切る防波板を取り付けます。

  液化ガスの移充填

液化ガスのローリーからの積み降ろしは圧力差によって行われます。ローリー側の圧力をポンプまたは加圧器(液化ガスを気化させ内槽気相部に戻し、昇圧させる装置)を利用してローリー側の圧力を上昇させ受け入れ側の圧力の低い方へ移充填します。移充填に必要な機器はローリーに搭載されています。ローリーに搭載されている液化ガス用の遠心式ポンプは、吐出圧力を1.5MPa〜2MPaまで昇圧させ約7000リットルの液化ガスを40分程度で移すことができます。また、加圧方式による液化ガスの移充填は、ローリーに搭載した加圧器を利用し、内槽本体の圧力を1.5〜2MPa程度まで昇圧させて液化ガスを移すことになります。

  液化ガスローリーの安全性

液化ガスローリーにはさまざまな安全対策がなされています。タンク本体は、高圧ガス保安法に基づき製作されています。内槽の使用圧力に応じた設計がされていますが、万が一何らかの原因で内槽圧力が上昇した場合でも、附属の安全弁が作動して、速やかに圧力を降下させます。断熱性能を向上させることは、圧力上昇防止にも繋がっています。さらに、タンクの製造メーカーでは、ローリーの運転状況に応じた独自な設計荷重(前後、上下)を定めて、これに耐えることができるように設計されています。液化ガスローリーの運行は、液化ガスの知識を十分備えた者により行われ、積載する液化ガスの特性、非常時の処置を明記した「イエローカード」を携行することも義務づけられており、安全に運行されています。


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