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保安(安全)への対応

保安(安全)への対応

はじめに

圧縮ガスおよび液化ガス等の高圧ガスをローリーやトラック等で輸送(高圧ガス保安法では「移動」と呼ぶ)する場合、その基本は高圧ガス保安法により規定されます。

ガスを運ぶ場合の安全(保安)への取り組み

高圧ガスは、運送業者等(高圧ガスの運送業者、製造業者、販売業者または消費者であって高圧ガスを運搬する者)によって、生産工場からタンクローリーで、あるいは高圧ガスが充填された容器で、消費者まで輸送されます。(「図1 高圧ガス容器の流通ルートと保安・規制対応事項(車両に固定された容器含む)」参照。)
図1 高圧ガス充填容器の流通ルートと保安・規制対応事項(車両に固定された容器含む)

この間の保安(安全)の確保は、直接輸送に関わる荷送人、運送業者・運送員(移動監視者、運転者、同乗者)によって行われます。その際、荷送人および運送業者等は、次のような取り組みにより保安の確保を実践しています。

 荷送人とその責務
高圧ガスで表1に示すものを輸送(移動)する場合、荷送人は運送員に対し、連絡先を記入した書面を交付すると共に、運送業者等が昼夜を問わず電話その他の手段によって、荷送人への緊急連絡が行えるよう連絡方法を明らかにしておく義務があります。現在は災害拡大防止のため「イエローカード」が整備され、運送員に通常携行させています。また、高圧ガス保安法では、可燃性ガス、毒性ガス、酸素の場合について、これを携行させることを義務づけています。

表1 移動監視者を要する高圧ガスの移動と移動監視者の資格要件
区分 圧縮ガス 液化ガス
(1)可燃性ガス((3)は除く)
および酸素
300m3 3000kg
(2)毒性ガス((3)は除く) 100m3 1000kg
(3)特殊高圧ガス 300m3

 防災資材、機材の装備
高圧ガス容器が事故などで破損したり、バルブが緩んだりして中のガスが漏れることがあります。そうしたときなどの対策として、「消火器」「防災機材」などを車に装備しています。具体的な工具などは、表2に示します。

表2 防災資材、機材等

 運送業者等による移動時の保安体制の確保
運送業者等は、常に車両および車両搭載機器の点検整備、移動する高圧ガスに応じて車両に積載する必要のある防災機材の整備を行い、高圧ガス移動時の安全確保、緊急事態の的確な対応に備えておかなければなりません。そのために、運送業者等は定期的に高圧ガスの取り扱いや緊急時の措置に関する運送員への教育訓練を実施し、緊急連絡体制の整備を行っています。また、全国には高圧ガスの移動中の災害発生あるいは災害拡大の防止のため、警察や消防を含む地域防災協議会、防災事業所が設置・登録され、緊急時対応の体制を整備して万一の非常事態に備えています(「図2 事故発生時の緊急連絡網(例)」参照)。多くの運送業者は地域防災協議会に加盟することで、移動中に発生した災害への応援が最寄りの防災事業所から受けられるよう準備しています。さらに、必要な数の法定資格者(移動監視者)の確保、輸送の際の必要な運転者の配置を行うなど、高圧ガスの移動時における安全確保のために常に注意を払っています。

事故発生時の緊急連絡網(例)

 運送員の資格等
高圧ガスの移動中に非常事態の一次対応を行うのは運送員であり、運送員には応急措置を含め適切な対応ができる知識および能力が要求されます。そのため、法律、行政、業界等で次のような資格および能力の所有を定めています。

・移動監視者
表1に示す高圧ガスを移動する場合、移動中の安全を確保するためには、高圧ガスの取り扱い等に関する充分な知識を有する移動監視者を同乗(運転手自身でも可能)させる必要があります。また、運送業者等は講習等によりこの移動監視者を養成する必要があります。

・運送員・運送指導者
表1以外の高圧ガスを移動する場合にも、保安の確保のために運送員の教育訓練を行わなければなりません。KHKの定めた「高圧ガスタンクローリー等安全運行指針」の中でも“運送業者は運転者に対し1回/年以上の頻度で講習を受講させること”としているように、高圧ガスの取り扱い等に関して教育訓練等を通して充分な知識を身につけさせています。また、都道府県毎にも独自の基準があり、区域内を通行する場合の運送員の資格を規定しています。例えば、運送業者は運送指導員(運送指導員は知事の指定団体が行う講習を3年に1回以上受講し、修了証を取得した者)を1名以上選任し、運送員の教育・訓練を年1回以上実施して、運送指導員にこれを行わせることで、緊急時に充分な対応をとれるように教育するよう規定している県もあります。いずれにせよ都道府県の規定や業界団体の自主基準による規定により、高圧ガスを輸送する運送員は一定レベル以上の知識、非常時対応能力を持つよう取り組んでいるのです。

 携行品の整備
運送業者等は、移動中の緊急事態に対する備えとして、次の携行品が車両に積載されるよう準備しています。

・防災資機材
移動中のガス漏洩等緊急時に対応できるよう防災資機材の携行が義務づけられています。 例えば、毒性ガスの場合は防毒マスク、手袋その他の保護具並びに災害発生防止のための応急措置に必要な資材、薬剤および工具といったような、高圧ガス保安法でその携行が求められ、より詳細には、一般高圧ガス保安規則関係例示基準等で、ガスの区分、移動ガス量に応じた具体例が示されており、これらを準備しています。

・イエローカード他
運送業者等は、高圧ガスを移動する際、当該高圧ガスのイエローカードを運送員に交付し、移動中携行させ、更に表1の高圧ガスを移動する場合、「移動中に応援を受ける可能性のある高圧ガス防災事業所等の連絡責任者の職名、電話番号および所在地の一覧表」を添付して、運送員が緊急時には迅速に対応できるよう準備しています。

移動における自主保安の取り組み具体例

運送業者等は、前述の保安確保の取り組みの他、日常の高圧ガスの移動前・移動中について、高圧ガス保安法および業界自主基準に基づいた点検確認事項に注意を払い、保安の確保に努めています。例えば、運送員が行う荷積み・運行開始前の点検、車両の点検、携行品および積荷の状態の点検等、あるいは、走行中・駐車時の注意事項遵守などの確実な実施です。

また、これらの事項の他、運送業者等の事業所で危険予知活動の実施、事業所基準の作成・遵守などにより、運送業者等自らの立場でさらなる安全確保に注力しています。次に具体例の一部を示します。

  • 日常的な保安確保
    運行責任者は、運送員の点呼および健康状態等の確認を行う。
    ・運行責任者は、1日に組まれた個別の運行予定毎の打合せを運送員と行う。
    ・運行予定毎にまとめられた資料により、納入先の情報等を含め、運行内容の充分な確認を行う。
  • 新規採用時の基準
    ・新規採用者の研修教育基準を定めて、具体的な研修を行う。
    ・新規採用者の経験の有無に応じて研修期間を区分し、各人の技量や修得力に応じてその期間も変更するなど、各人のレベルアップを図る。
    ・新規採用者は、移動監視者の資格を取得するまでは、一人乗務を認めない。
    ・液化ガスの輸送は、一人乗務を一定期間以上経験した者でなければ認めない。

これまで述べた高圧ガスの移動における保安対策は、高圧ガス保安法の規制に加え、KHK、当協会の定めた自主基準等により、荷送人、運送業者等が必要な装備・備品の整備などの措置を着実に実施し、また、日常の安全点検をはじめとした地道な努力を行うことで達成され、これと同時に安全が確保されています。


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