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ガスの運ばれ方〜酸素・窒素・アルゴン

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ガスの運ばれ方〜酸素・窒素・アルゴン
 

  はじめに

空気を分離して得られる酸素・窒素・アルゴンは、非常に重要な役割を担っています。

酸素は、私たちが生きていくために必要不可欠なものであり、鉄鋼、化学、製紙、溶接・切断、医療などあらゆる分野で使われています。

窒素は、空気の約78%を占める気体で、無味無臭で、常温では化学的に不活性、高温で酸素と化合、高温高圧下では水素や金属で化合するという特性を持っており、半導体製造、化学、食品など各種産業で役立っています。

アルゴンは、窒素、酸素に次いで空気中に多く存在しますが、空気組成のわずか0.94%と貴重なガスであり、いかなる条件下でも反応せず、窒素よりはるかに不活性度の高いものです。主に半導体製造、溶接などに使用されています。

なお、酸素・窒素・アルゴンの液化ガスは超低温です。(沸点は、液化酸素:−183℃、液化窒素:−196℃、液化アルゴン:−186℃)

  ガスの供給方法、荷姿(積載・運搬方法)と主な注意事項

酸素・窒素・アルゴンは、大別すると、(1)容器(バラ瓶)(2)カードル(集合容器)(3)LGC(超低温容器)(4)CE(コールド・エバポレーター)(5)配管など、お客様の使用量などに応じた効率的な供給方法により、ガス状または液化ガスの状態で供給されています。配管による供給を除き、輸送には、トラック、ローリーなどを利用します。

輸送時の荷姿(積載・運搬方法)と主な注意事項は以下の通りです。

 容器またはカードルによる供給
ガス状で使用する場合、高圧ガス容器にはさまざまな種類があります。

代表的なものは、47リットル容器に14.7Mpaまで圧縮されたものです。近年は29.4Mpaまで充填する試みが実施されています。その他、50リットル、10リットル、1リットル、0.35リットルなどの容器があります。また、使用量が多いお客様には、カードル(集合容器)と呼ばれる容器を束ねた形のもの(9本組、16本組、20本組、30本組等)を利用します。

運搬車両はトラックを利用しますが、特にカードルの場合は、積込み等にはフォークリフトやユニック車(小型クレーン)を用いて省力化に努めています。

主な注意事項
(1)容器には、口金が付いているので、口金を傷つけないように積載する。
(2)口金を保護するためのキャップは外れる可能性がないかを点検する。
(3)容器を立積する場合には、運搬車両の荷台部に立積専用の金枠を設け、その金枠にワイヤあるいはラッシングベルト等を用いて固定する。
(4)容器運搬用治具を使用する場合には、容器運搬用冶具に容器を確実に固定し、容器運搬用冶具を運搬車両に固定する。
(5)容器を横積する場合、荷降時に容器が滑り落ちることのないように、容器止め具を必ず使用する。
(6)横積で容器を2段、3段と積み重ねる場合には、段と段の間に運搬車両の振動による容器の滑りを防止するような材料を挟み込むのが望ましい。この場合にも容器と運搬車両はワイヤあるいはラッシングベルト等を用いて確実に固定する。
(7)特に酸素と可燃性ガスの容器を混載する場合には、バルブがお互いに向き合わないように積載する。

 LGCによる供給
「LGC」と呼ばれる液化ガス専用の可搬式超低温容器は、液化ガスが気化した時に大量のガスとなることから、高圧ガス容器やカードルより使用量が多いお客様へのガス供給に使用されます。液化ガスを充填したLGCは、フォークリフトやユニック車(小型クレーン)を用いて積込みを行い、トラックで輸送します。

主な注意事項
(1)転倒防止策が講じられた車両に、ワイヤあるいはラッシングベルト等を使用して確実に固定する。
(2)容器と混載されて輸送されることが多いので、トラックへの固定には十分考慮する。
(3)LGCには、液体取り出しバルブ、加圧装置、液面ゲージ等が設置されており、転倒による衝撃には弱く、また、設置機器が多いのでその分漏洩の危険があるので、積込み時の点検は漏洩検知剤を用いて確実に行う。
(4)バルブ類は規定通りの開閉状態になっているかも併せて点検する。

 CEによる供給
LGCよりも大量に液化ガスを使用する場合には、ガス別の専用ローリーにて液化ガスを輸送し、需要家のサイトに設置した液化ガス貯蔵タンク(CE:コールド・エバポレーター)へ充填し供給します。

ローリーは、車両に専用タンクを搭載しており、加圧機能を持った移動式高圧ガス製造設備であり、CEへの充填方法は、ポンプによる方法と加圧による圧力差を利用して充填する方法とに分かれます。CEの大きさにより、1回の充填で500リットルから13,000リットルの液化ガスが充填できます。

タンクローリーのタンク部の大きさは、2,000リットルから17,000リットルまであり、道路交通法の改正によりタンクの大型化が進んでいます。一方、病院等、CE設置場所への進入路が狭いなど制限のあるお客様のためには、どうしても小型のローリーが必要となります。

製造工場において液化ガスをローリーに積込む場合は、フレキシブルホースをローリーに接続して充填しますが、高圧ガス保安法に規定されているように、タンク内容積の90%を超えて積み込むことはできません。

主な注意事項
(1)液化ガスは超低温であるために、低温に応じた保護具を装着し、適切な工具を使用する。
(2)タンクローリーが自走しないように、車両には確実に車止を施す。
(3)液化ガスを大量にCEに充填するので、充填作業者はその場を離れないようにし、ユーザー側にも立会いの義務がある。
(4)数多くのバルブ操作を行うので、充填後はタンクローリー、CE共に漏洩のないことを確認する。
(5)CEでは、充填後に充填前のバルブ閉状態にあるかどうかの確認も忘れない。

  漏洩など緊急時の対応

 酸素の場合
(1)漏洩など緊急時の対応作業の際には、必ず革手袋その他の保護具を着用し、防災工具を用い、風上でかつ漏洩しているガスの吹き出し方向の反対より、漏洩している部分を静かに増し締めし漏れを止める。
(2)油脂類のついた工具や手袋は使用しない。また、手や衣服に油脂類が付着していないことを作業前に確認する。
(3)漏れが止まらない時は、着火源を避け、通風の良好で安全な場所で大気に拡散させる。
(4)酸素は支燃性が強く、空気中で燃えないものでも、酸素中で燃えるものが多いので、周囲の火気および可燃物をできるだけ遠ざける。
(5)液化酸素がガス化すれば約900倍となる。通風を良くしガスが滞留しないようにする。
(6)液化酸素は超低温であり、身体に触れると凍傷を起こす危険性があるので、対応する保護具を必ず着用する。
(7)周辺火災の場合は、可能であれば、ローリー(容器)を安全な場所へ移動する。移動することが不可能な場合は、破壊防止のためにローリー(容器)および周囲に散水する。

 窒素・アルゴンの場合
(1)ガス状、液状両方の場合とも、特にガスの漏洩には注意する。
(2)液化ガスは超低温であり、身体に触れると凍傷を起こす危険性があるので、対応する保護具を必ず着用する。
(3)漏洩時には、酸素欠乏の可能性があるので、通風を良くしガスが滞留しないようにする。
(4)バルブ、継手から漏洩した場合、風上でかつ漏洩しているガスの吹き出し方向の反対側より、上流側のバルブを閉め、防災工具を用い継手の増し締め等の作業を行う。
(5)漏洩が止まらない場合には、通風の良い安全な場所で大気に拡散させる。
(6)大量に漏洩している場合は、周囲に人を近づけない。

なお、輸送にあたって、特に「酸素」の場合は、災害を防止する目的で、一部の高速道路で通行できない箇所があること、また、フェリーの旅客船には乗船できない等の規制があることから、迂回ルートや貨物船を利用するなどの対応を行っています。

私たちは、酸素・窒素・アルゴンなどをはじめとして各種ガスの特性を十分に理解し、常に安全を第一に心掛けて、需要家への安定供給に努めております。


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