特殊ガスは、高純度ガス(純度の高いヘリウムや水素等)・半導体材料ガス・標準ガスの3つに大別できます。高純度ガスは、他のページに記載されていますので、このページでは半導体材料ガスの運ばれ方について説明します。なお標準ガスも同様に安全対策を行っています。

半導体材料ガスと呼ばれるものの中には、一部高圧ガスに含まれないものもありますが、その多くは高圧ガスに位置付けられ、そのほとんどが高圧ガス保安法に準じた47リットル以下の継ぎ目なし容器(シームレスシリンダー)に充填されています。

多くは車両によって運送を行うわけですが、国内の道路輸送を行う場合、道路交通法や道路運送車両法はもちろんのこと先に述べた高圧ガス保安法の他に消防法・毒物および劇物取締法によって規制を受けています。

モノシランなど特に汎用性の高い7種類のガスは、高圧ガス保安法で「特殊高圧ガス」と規定されており、移動する量に関係なく「移動計画書」の携行と移動監視者の監視が義務付けられるなど特に厳しい規制を受けていますが、その他の多くのガスについては、前述の法律に照らし合わせ対応しています。

法律上の主な注意点

法律所の主な注意点としては、
1. 運搬容器(材質、構造、最大容量)
2. 積載方法(収納、表示、外装、混載禁止、積み重ね)
3. 運搬方法(摩擦・動揺の防止、指定数量以上を運搬する時の特別な注意、附帯条件等)
4. 消火器の携帯
5. 漏洩時等の応急災害防止措置、連絡通報
等が挙げられ、例えば“2”の積載方法(混載禁止)では、「危険物は類別されており、類の異なる危険物同士は混載が禁止され、また高圧ガスとの混載も石油系燃料ガスを充填したボンベもしくは一部の不活性ガス以外は原則的に禁止されている。」等、各々細かい指定が定められています。

半導体材料ガス各メーカーは、個々のガスにおいて法律の内容に照らし合わせ適切な運送方法を決定し、運転室と荷物室の空間が完全に遮断されている構造の車両によって運送を行っています。
また万が一、事故が起こった場合の対応のために運送員には、ガスの性状や保護具の取り扱い等緊急時対応について保安教育を定期的に行ったり、運送車両には、イエローカードと呼ばれるガスの物性や連絡経路を記入したカードを携行しています。

このように半導体材料ガスメーカーは、法律を遵守し安全な輸送を心がけています。