ローリの環境対策

液化ガスは、ローリにより輸送され、その取引は、納入数量の確定方法を予め定めています。通常は、トラックスケールや液面計、流量計等の方式が用いられています。

トラックスケール方式では、公認計量所等を利用しますが、近年、公認計量所の数が減少しており、ユーザーと公認計量所までの走行距離が長くなっています。従ってローリの不必要な走行が生じます。

その点、車載型質量計量方式は、ローリ自体に搭載した計量器によって、ユーザーの面前で納入数量が確定でき、公認計量所に行く必要がないのです。従って燃料の削減と炭酸ガス排出量削減に繋がります。

我が国では、2010年前後に1990年比6%の温室効果ガス排出量削減の目標が定められています。この目標達成のため、国土交通省は、我が国全体の炭酸ガス排出量の約2割を占めている運輸部門の取り組みとして「地球温暖化防止ボランタリープラン」を策定しています。

日本産業ガス協会では、こうした計量システムの推進と輸送走行距離削減により環境改善に努めています。

また、ローリ車用燃料についても、地球温暖化防止のため、炭酸ガス等の温暖化ガスの大気放出量を削減する取り組みを進めています。

今後は、輸送の効率化を進めることも大切な課題として取り組んでいます。

需要家への納入、すなわちガスの輸送に関して、日本産業ガス協会は、現行の商慣習を改善することが必要だと考えています。

一つは、需要家への納入時間、納入曜日の集中を分散することです。一部の需要家は、朝一番とか特定の時間に納入を求めることがあります。ガスの残量に関係なく、月水金等特定の曜日に、機械的な注文もあります。

二つ目は、1回当たりの納入量の最大化を図ることです。一部需要家の注文は、在庫があるのに納入を求めることがあります。これは製品(液化ガス)を全量納入できず、工場に持ち帰ることを意味します。

輸送の効率化を図る上で、これらの問題を解消しなければならず、一つには納入時間、曜日の分散を需要家にお願いしています。二つ目は需要先に設置しているCEにセンサーを設置し、電話回線を介してコンピュータで管理し、許容残量直前の納入に努めます。

その他、メーカー間の共同配送により交錯輸送を無くし、大口需要家向けの車両の大型化を図り、1回当たりの納入量を増やして運行回数を削減するなど、運行回数の10%削減を目標に地球環境問題に取り組んでいます。一方、将来、環境に優しい燃料として燃料電池自動車の開発に参加しています。