大気中の炭酸はごく微量なため、分離するには大変なコストを必要とします。炭酸ガス源の主なものには、(1)アンモニア合成工業の副生ガス、(2)製鉄所の副生ガス、(3)重油脱硫用水素プラントの副生ガス等があります。従って炭酸ガス製造工場は(1)、(2)、(3)等のプラントの近接地にあります。
液状の炭酸を大気中に噴出させ、断熱、膨張させると雪状のドライアイスができます。これをプレス機で圧縮すると固形のドライアイスになります。方法によって、ブロック状、チョーク状、粒状などのドライアイスをつくることができます。
サンドブラスト法のサンド(砂)の代わりに、粒状のドライアイスを使用する方法です。粒状のドライアイスが、高速度で被汚染物に衝突すると同時に汚染物や塗料に侵入し、気化(昇華)して剥離させる「衝撃フラッシング作用」で洗浄する方法です。使用したドライアイスは昇華してなくなるので、後処理が不要です。
炭酸ガスの水に溶ける量は圧力に比例し、温度には逆比例します。炭酸飲料は加圧状態で飲料水の中に炭酸ガスを溶解させています。
炭酸ガスは水によく溶けて弱酸性となるため、炭酸飲料には酸味があります。炭酸ガスが抜けると酸味がうすくなり、甘味が増すのです。
エネルギー問題の解決が重要です。大気中に放出される炭酸ガスは、人類が関与する化石燃料の消費によるものとして、日本では年間約13億トン(世界では約260億トン)といわれています。そのうち、約100万トンは私たちが回収し、人間生活に役立たせています。
炭酸ガスの固定化技術…深海への隔離・地中への隔離技術等がグローバル組織で現在研究されていますが、今のところまだまだ難しい課題です。いずれにしても、エネルギーの転換、森林保護と植林のすすめ等、人類が消費する全エネルギーを削減する方向へ努力しないかぎり、温暖化問題の解決はむずかしいと思われます。