さまざまな産業分野のお客様で必要とされている各種ガスは、その用途に応じて、さまざまな容器に充填されて使用されています。
ガスを充填するには、(1)原料のガスを貯蔵するタンク、(2)製品のガスを貯蔵する容器、(3)ガスを容器に充填するための充填設備の3つが必要となります。

どのようにして容器に充填するのですか?

充填には、大別して3つの方法があります。

(1)低温貯蔵タンクに液体の状態で貯えられているガスをポンプで圧縮し、その後、蒸発器と呼ばれる熱交換器で液体から気体に変化させたガスを、容器に定められた圧力まで充填する方法(充填フロー図参照)

(2)低温貯蔵タンクに液体の状態で貯えられているガスを、ポンプを使用して、液体の状態のまま別の低温容器に充填する方法

(3)気体の状態にあるガスを圧縮機によって加圧し、気体のまま容器に充填する方法

どれくらいの量が充填(使用)されたのか、どのようにして判断するのですか?

容器に充填されたガスの充填量(残量)は、外観では判断できません。

酸素や窒素などのガス(気体の場合)は容器に高圧で充填されており、そのままでは利用できないため、ガスを使用する装置(溶接器、空気呼吸器など)に「圧力調整器」という治具を取り付けて、通常使用する圧力まで下げて使用します。また、この圧力により、どれくらいガスが残っているか判断します。

一方、液体の状態で充填されている炭酸ガスや笑気ガスは、重量を測定してガス充填量を判断します。

どのようなことを心がけて充填作業をしていますか?

容器には非常に高い圧力でガスが充填されています。従って、先ず安全には特別に配慮し、充填に使用する設備や容器は「高圧ガス保安法」という法律に定められた各種基準に基づいて製作、維持・管理されており、かつ特別な免状を所有し訓練を受けた資格者の監督の下で充填作業を行っています。

また、最新の充填所は、自動充填装置を設置して安全かつ効率的な充填を目指したり、容器を入れるかご(パニエまたはバスケット)を利用し、フォークリフトなどを使ってトラックに積み込み作業を行っています。従来のように一本ずつ容器を転がさなくてもよくなり、充填所も以前と比較すると作業環境も改善され静かになり、周辺の環境にも配慮した操業を心がけています。