私たちが住む、この地球上でもっとも軽い物質ですから、原子番号も皆さんも知っている周期律表の1番です。また、水素の代表的な化合物は水ですが、これは人間が生きていくために、もっとも重要な物質のひとつです。
もちろん、できます。現在、工業的な水素のつくり方はいくつかありますが、代表的なものに食塩電解法があります。
食塩水の電気分解法なので、略して食塩電解と呼んでいます。その内のひとつが、イオン交換膜法電解法(IM法)です。かつては水銀法や隔膜法もありましたが、現在は食塩電解といえば、ほとんどIM法で生産されています。
図1が、そのシステムの略図です。電解槽の中にイオン交換膜を置き、+側、-側それぞれに電極を入れ、ある電圧をかけると、槽中の電解液(食塩水)が分解され、+側に塩素、-側にはナトリウムが析出します。同時に+側からは塩素ガス、-側からは水素ガスが発生します。
イオン交換膜は陽イオン、陰イオンのどちらか一方だけしか通さないので、両方の液が混ざることはありません。
いくつもありますが、代表的な製法は次の4つです。
1. 食塩電解法
2. 炭素系物質の改質
3. メタノールの改質
4. 天然ガスの改質
大きく分けると上の4つですが、2番目の「炭素系物質の改質」はさらに、
ナフサスチーム改質法、重質油部分酸化法、石炭ガス化法の3つに分けられます。
液化水素のつくり方には、次の3つの方式があります。
1. 簡易ジュール・トムソン法
2. ヘリウム・ブライトン法
3. クロード法
消費電力が少なく、効率が良いのはクロード法です。
これは、予冷した水素ガスを触媒槽と冷水素冷却器の多段コールドボックスを通して液化する方法です。
詳しくは次の機会に説明いたします。