衣食住だけでなく、情報技術や宇宙開発にも役立っている水素。
水素は様々な分野で活躍しており、私たちの衣・食・住の基本的な生活ばかりでなく、情報技術分野を中心とした、より快適・便利な生活づくりにも役立っています。

通信分野

大容量の情報の伝達に使用される光ファイバーは石英硝子を材料としていますが、素材となる石英硝子の製造時に大量の水素が使用されます。また、ファイバーに加工する際は水素、酸素炎を熱源として、石英硝子を付着させるファイバーの母材を作るために使用されます。

携帯電話の表示部分の発光はガリウムリン等の化合物半導体が使用されていますが、このウエハの熱処理にも水素は使用されています。

半導体分野

シリコンウエハ製造時は単結晶製造用として、金属珪素に他のガスを反応させたり、多結晶反応器のキャリアガスとして使用されています。

さらに水素は、シリコンウエハ上に希望する抵抗率、厚みのシリコンを基板と同じ結晶方向に成長させるためにシラン等のキャリアガスとして使用されます。

LSIの製造工程中では、酸化用としての酸水素炎による高純度水蒸気雰囲気形成として、熱処理用に雰囲気ガス、還元性または熱分解反応ガスとして使用されます。また、拡散工程ではシリコンウエハにボロン、リンを付着させウエハ表面に入り込ませるキャリアガスとして、窒素ガスとともに使用されます。

半導体製造に欠くことのできない治具類、拡散工程中などで使用される反応炉は石英硝子でできていますが、水素は石英の製造、治具類の加工の酸水素炎として使用されます。

化学工業分野

石油化学工業においては、エチレンプラントより分離される各種化学品の水素添加として使用されています。合成繊維原料の他、幅広い分野で使用されるアンモニアの合成用として、可塑剤、界面活性剤の原料となる高級アルコール合成用として、無機工業薬品の原料として水素は使用されます。これらの化学製品は化粧品、洗剤、香料、ビタミン剤等の特殊化学品原料として使用されます。

産業ガス分野ではアルゴン精製用に水素が広く使用されています。

宇宙開発分野

人工衛星打ち上げ用ロケットエンジンの燃料として、液化水素が使用されています。