医療ガス情報担当者 MGR 
日本産業・医療ガス協会(JIMGA)では、2007年からMGR認定制度の運用を開始し、2023年4月現在4,272名のMGRの認定合格者を輩出しています。
ここでMGRとは何かをご紹介しましょう。
MGRとは?
MGRとは、医療ガス情報担当者のことで、Medical Gases Representativeの略です。 MGRは、医療用酸素をはじめとする医療ガスの製造販売等を行う企業を代表して医療機関を訪問し、医療ガスの適正な使用と普及を目的として、医療関係者(医師・看護師・薬剤師など)に対して医療ガスの品質などの医薬情報を提供し、使用された医療ガスの有効性・安全性などに関する情報を医療機関から収集して企業に報告し、医療機関にフィードバックを行う者です。 MGRはJIMGAが認定する資格制度であり、JIMGA医療ガス部門に加入している会員企業あるいは非会員の企業であってMGRへの参加を希望し承認された企業に所属する社員だけがその資格を有することができます。 |
なぜMGRが必要か?
医療ガスは、医薬品として医薬品医療機器等法の規制を受ける一方、通常は14.7MPa、19.6MPaといった非常に高い圧力、またはマイナス200℃近い極低温といった状態であるので、その製造・流通には高圧ガス保安法の規制も受けるなど、取扱い方法、効能などが他の医薬品と全く異なりますので、安全確実に医療ガスを取り扱うためにはこの分野に特化した情報担当者が必要です。 ここがMRと違うところです。 |
MGRは医療従事者の方の役に立ちます
MGRはその活動を通じて、医療従事者の方のお役に立っています。例えば、医療機関内での医療ガスの安全管理について、専門家として適切にアドバイスします。 ガス性医薬品の情報提供、安全な取扱い方法、事故情報、ヒヤリハット、適正な運用方法等に関する情報を提供します。 在宅酸素療法を受けられている患者さんに対して高圧ガスの基礎知識の説明、各種機器の取扱い方法、火気の扱いなど安全上の注意事項、適正な使用方法を説明します。 医療機関内の医療ガス関連設備について、使用方法・規模に応じた適切な設備の提案やメンテナンスに関する情報を発信します。 医療機関の要請により医療ガス安全管理委員会に出席し、医療ガス設備の安全管理をサポートします。 |
MGRに求められるもの
医療ガスは、近年の医療の急速な進歩とともに使用分野は広がってきており、MGRは常に最新の医療情報など高度な専門知識を持って情報活動を行うことが求められます。加えて医療ガスは、患者さんが直接吸引するなど人の生命に密接に関連することから、MGRは生命に関する強い倫理観、使命感、責任感に基づいて行動する必要があります。 また、実際に医療ガスを取り扱うには高圧ガス保安法の知識も求められます。 このようにMGRは医薬品という人類にとってかけがえのない宝を扱う知的職種です。 |
MGRになるには
MGR制度は、JIMGAに加入する会員企業あるいは非会員の企業であってMGRへの参加を希望し承認された企業に所属する者を対象にしています。 MGRを選任しようとする企業は、JIMGAの制定した「倫理綱領」と「加盟企業行動憲章」に則った活動を行うことを約束するために「医療ガス事業活動規程」(非会員の企業にあってはそれに則した自社の「医療ガス事業活動規程」)を定め、医療ガス事業を適正に行うことを社会に表明することが求められます。 そのうえで、MGRの資格を取得しようとする者は、企業内の教育およびJIMGAの主催する講習会を受講し、認定試験を受験することになります。 試験問題の策定、試験結果の評価は、医師、大学の医学部の先生方が委員を務める「MGR試験委員会」が中立的な観点でおこなっています。 また、新医薬品の上市や疾病構造の変化、法規や制度の改正など医療に関する知見は日進月歩であり、MGRはこれらに対応するため、認定試験に合格した後も継続して教育研修を行い、3年ごとにJIMGAの主催する講習を受講することになっています。 MGRの教育プログラムは次のとおりです。 →制度・法令(MGRの倫理、医薬品概論、医療制度、法規、PMS、添付文書) →医療ガス(物性、供給と使用、安全・保安管理、災害対策) →疾病と治療(呼吸器系・脳神経系などの機能、医療ガスによる治療、薬理学、薬剤学)
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勉強会、医療機関向けの説明会等でのMGRの紹介には下記資料をご使用ください。
MGR紹介PPT(医療ガス安全講習会用)【会員専用】