2026年 年頭のご挨拶

2026.01.05

年 頭 所 感

一般社団法人日本産業・医療ガス協会
 会長     上原 正弘

 あけましておめでとうございます。

 今年は明るい話題から始めたいと思います。昨年のMLBワールドシリーズでは日本人3選手が大活躍しました。野球にそれほど興味のなかった人でも、プロスポーツ世界最高峰の舞台で日本人が圧倒的な存在感を示したことは、誇らしく思える出来事ではなかったでしょうか。
 また、国内では憲政史上初の女性総理大臣が誕生しました。次々と政策を実行に移し、停滞していた日本が大きく変わる予感があります。日経平均株価も初めて5万円の大台に乗りました。後年、2025年は世界の中で日本が再び輝きだすパラダイムシフトの年だったと言われるかもしれません。日本産業・医療ガス協会におきましても、初めて女性理事が就任いたしました。当業界に新しい風が吹いてくれることを期待します。
 ここのところ毎年のように、冒頭から自然災害に触れざるを得ない状況が続きました。2025年は、ようやく落ち着いたかに見えましたが、師走に入り青森で震度6強の地震がありました。被害に遭われた方々には、心よりお見舞いを申し上げます。産業ガス、医療ガスの生産と供給への影響は、ほぼなかったものの、北海道・三陸沖に、初めて「後発地震注意情報」が発せられたこともあり、当該地域では、落ち着かない年末・年始ではなかったかと思います。
 また、人災と呼べるような大きな事故も相次ぎました。1月には埼玉県で道路陥没事故が発生し、インフラの老朽化が問題となっています。また、高圧ガス関連ですと、5月、7月と立て続けにアセチレンの爆発事故が起こりました。5月の葛西での爆発事故は、地中に埋まっていた容器を重機が穿孔し、漏れたガスに引火したことが原因でした。7月の某大学での事故は、取扱い不注意によるものではなかったかと推測いたしますが、詳細については検証を待たねばなりません。いずれにせよ被害を受けた方々には心よりお見舞い申し上げます。
 当協会では、「モノづくりを支え 命を守る、インフラがある。」のキャッチフレーズのもと、今年も1.事故の無い安全な高圧ガスの世界の希求、2.「もの申す団体」としての発言力の強化、3.カーボンニュートラルな社会への挑戦という3つの活動方針に基づき活動して参ります。
 先に触れました5月のアセチレン爆発事故を起こした容器は、不法投棄の可能性が高いと思われます。1987年以来、高圧ガス容器の全国一斉特別回収を行っていますが、40年近く経った現在でも、毎年1000本以上の不明容器、放置容器が回収されています。発見された放置容器は、所有者が既に廃業しているなど、責任の所在が不明であることもままあります。資産であるはずの容器が処分対象となり、手間も費用もかかるという事態は解消していかねばなりません。会員各社におかれましても、容器管理、停滞容器の回収は重要な課題であると拝察いたします。保安の観点からも、容器管理と放置容器撲滅について、粛々と取り組んで参りたいと思います。
 さて、昨年は、「一般高圧ガス保安規則の機能性基準の運用について」の改正により、「空気液化分離装置による酸素、窒素、アルゴン等の製造施設である事業所における設備の点検・異常確認時の措置」が新設され、いわゆるASUの遠隔監視の道が開けました。本件は、当協会が自主基準を作成するとともに、長期に渡り経済産業省に働きかけを行って実現したものです。今後も物申す団体として、業界の躍進に向けた基盤整備の取り組みを行って参ります。
 その他の法対応に関してですが、「化学物質による労働災害防止のための新たな規制」により、いよいよ4月から酸素・窒素・アルゴン(いずれも高圧のガスの状態のものに限る)、二酸化炭素、アセチレン等も本規制の対象となります。規制対象の事業所を有する会員におかれましては、既に対応が進んでおられると思いますが、ガスユーザーには上記の高圧ガス等が規制対象になるということが未だ浸透していないとの話しも聞かれます。
 当協会では「高圧ガス取扱/譲渡提供等における化学物質管理者の専門講習」を一昨年より開催しております。より多くの方に受講頂けるよう、昨年からオンデマンドでも提供を開始し、会員外のガスユーザーの皆様にも多数受講頂いております。今年も開催を予定しておりますので、法令遵守の観点からも会員の皆様からガスユーザーの皆様に向けて広くご案内をお願いしたいと思います。
 当協会のホームページ(www.jimga.or.jp)では、その他にも、高圧ガスの基礎知識、医療ガスの知識、在宅酸素療法について、高圧ガスの保安に関する各種動画など、高圧ガスの保安に関する情報も公開しております。社員教育等にお役立て下さい。
 今年も事故の無い安全な高圧ガスの世界に向け、会員及びガスユーザーに向けた保安講習の実施、自主基準の作成など、高圧ガス事故撲滅に向けた活動を推進するとともに、もの申す団体として、高圧ガスの規制改革実現に向けて関係省庁との折衝を継続してまいります。なお、当協会の活動は、会員の皆様の多大なるご協力によって成り立っております。より一層のお力添えを賜りたく、どうぞよろしくお願いいたします。

 今年も皆様のご繁栄とご健勝を祈念申し上げ、新年の挨拶とさせていただきます。